総領事館便り 2014年3月号


=総選挙の実施に伴う注意喚起=

2014年3月1日

 皆様ご存じのとおり、本年4月に当国インドネシアでは、我が国の国会総選挙に相当する、5年に一度の国会(DPR)議員と地方代表議会(DPD)議員選挙が行われます。3月16日~4月5日までが選挙キャンペーン期間、4月9日が投票日となります。
 また、7月9日には同じく5年に一度の正副大統領選挙が行われ、6月~7月上旬にかけて、大統領選挙キャンペーン期間となります。
 現在までのところ、これらの選挙を標的としたテロ・選挙妨害活動が行われるとの情報には接していませんが、選挙キャンペーン期間中は各候補・政党間による白熱した選挙となり、支持者グループによるデモが実施され、市内の幹線道路や主要関係施設周辺では渋滞等も予想されます。また、各候補・政党支持者グループ間による衝突等の不測の事態も想定されますところ、在留邦人の皆様におかれては、不用意にこういったデモや集会等には近づかない等、注意して下さい。

第12回漢字カップの開催

3月1日(土)、在スラバヤ日本国総領事館はスラバヤ市内の1945年8月17日大学において、国際交流基金ジャカルタ日本文化センター、元日本留学生協会(プルサダ)東ジャワ支部、及び市内の語学学校との共催で第12回漢字カップを開催しました。
漢字カップは、多くの日本語学習者が苦手としている漢字をクイズ形式で出題し、漢字の読みや書きとり能力を競う大会で、漢字に対する苦手意識を払拭し、漢字学習のモチベーションを向上させるために毎年開催しているもので、今年は初級レベル(個人戦)に201名、中級レベル(チーム対抗戦)に16チームが参加しました。今年は中部ジャワ州からはるばるやってきた国立スマラン大学が初級レベルで優勝するなど大きく健闘。また、中級レベルではブラウィジャヤ大学が優勝し5連覇を達成しました。今大会では中級の準決勝戦と決勝戦の合間の休憩時間にスラバヤ日本人学校の教員であり書道家でもある山下優雲氏(本名山下優子氏)による書道のデモンストレーションも行われ、参加者たちは、大きな紙に墨で書かれていく文字を固唾を飲んで見守っていました。
今大会では日本人学校の山下先生による書道のデモンストレーションや日本人学校の生徒、児童の皆様に中級優勝チーム及び元日本留学生チームとのエキジビションマッチにご参加頂くなど関係者の皆様には多大なるご協力を賜りました。この場をお借りして御礼申し上げます。

参加者及び大会関係者との記念撮影

松井大阪府知事の当地来訪

2月18~19日、松井一郎大阪府知事一行がスラバヤ、ジャカルタ、バンドゥンを来訪しました。本年は大阪府と東ジャワ州の姉妹都市関係30周年にあたり、今般のスラバヤ訪問はこれを記念し、今後の更なる関係の強化に向けたものです。
同知事は18日夜、東ジャワ州政府主催レセプションに出席、サイフラー・ユスフ同州副知事の歓迎を受けるとともに、両自治体間で、省エネルギー・環境配慮型技術活用のための支援、中小企業の人材育成促進や交流の促進、中小企業振興施設の設置に向けた協力等を内容とする「東ジャワ州と大阪府の経済分野での交流に関する共同宣言」に署名しました。
19日には同知事はスカルウォ東ジャワ州知事と会談。また、州知事と共に来訪している、省エネと新エネルギー市場開拓ミッションの大阪府内企業11社による、市内のホテルで開催された商談会を激励するとともに、交流会で挨拶し、この分野における日イの企業による協力関係が促進されることに対する期待を述べました。

スカルウォ東ジャワ州知事(中央)らと会談した松井大阪府知事(その左)一行

井上環境副大臣の当地来訪

2月24~26日、井上信治環境副大臣が当地で開催されたアジア大洋州3R推進フォーラム出席のため、スラバヤに来訪しました。
本フォーラムは、アジア各国における3R(reduce, reuse, recycle)の推進に向け、各国政府・自治体、国連地域開発センター(UNCRD)、民間セクター、専門家、NGO等幅広い関係者の協力の基盤となるよう、2008年の東アジア首脳会議(EAS)環境大臣会合において設立が提唱されたもので、今回が5回目となるものです。
井上副大臣は「アジア大洋州における3R推進の基盤としての重層的な連携と協力枠組み」を全体テーマとする本件フォーラムにおいて、今後のこの分野における政策・計画の促進・実施に向けた国家間協力・地方自治体間協力の必要性を訴えるスピーチを行い、本フォーラムでは、3Rの効果的な実行に向けた関係者間の連携の推進などを表明する「スラバヤ3R宣言」が採択されました。
また、一行はカンブアヤ・インドネシア環境担当国務大臣等各国代表団と会談・意見交換の機会を持ち、更に市内で北九州市の(株)西原商事が運営する廃棄物処理施設を視察しました。

リスマ・スラバヤ市長、各国代表と共に、歓迎レセプションに出席した井上副大臣(中央の紫色の服)

草の根レベルでの社会開発支援 -東ジャワ州内でのプロジェクト4件への支援

日本国政府は東ジャワ州の4つの団体に対して草の根・人間の安全保障無償資金協力による支援を行うことを決定し、2月21日在スラバヤ日本国総領事館において署名式典が行われました。
同署名式典には野村昇在スラバヤ日本国総領事の他、各被供与団体の関係者やそれぞれの県の政府関係者が出席しました。
同資金協力は途上国の草の根レベルの社会開発を目的としたもので、今回の支援により各地域の教育、医療及び生活環境が向上することが期待されています。各案件の概要は以下のとおりです。
  1. 「東ジャワ州ポノロゴ県におけるイスラム小学校の施設拡充計画」
    供与限度額:82,338米ドル、被供与団体:ヌルル・フダ・イスラム小学校
  2. 「東ジャワ州バンカラン県における診療所の建設及び母子保健向上計画」
    供与限度額:112,324米ドル、被供与団体:ミトラ・サディナ財団
  3. 「東ジャワ州パチタン県における生活用水供給計画」
    供与限度額:108,097米ドル、被供与団体:社会指導促進協会
  4. 「東ジャワ州ンガンジュック県赤十字輸血用血液ユニットにおける冷蔵遠心分離機及び血液保冷庫整備計画」
    供与限度額:35,613米ドル、被供与団体:スラバヤ・ロータリー財団

署名後、被供与団体代表と握手を交わす野村総領事