在マカッサル領事事務所 海外安全対策情報
海外安全対策情報(2019年度第1四半期)
1 治安情勢
治安は概ね良好であるが、いくつか注意を要する。
(1)近年、インドネシア各地においてテロ(未遂を含む)事件が複数発生しており、一昨年5月には東ジャワ州で複数の宗教施設や警察署を対象とした爆弾テロ事件が発生し、一般市民を含む多数の死傷者が出ている。ついては、テロの標的となりやすい場所(政府・軍・警察関係施設、宗教関連施設、ショッピングモールや公共交通機関等の不特定多数の人が集まる場所)を訪れる際は、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら速やかにその場を離れるなど身の安全を確保することが必要。
(2)麻薬の売買が横行しており、薬物事件が多数発生している。インドネシアにおいては、麻薬関係の違反者は厳しく処罰され、場合によっては死刑あるいは禁固等の重刑が科されることもあるので、違法な薬物には絶対に手を出さない、また、事件に巻き込まれることのないように、繁華街の路地裏など麻薬取引が行われる可能性が高い場所には近づかないことが重要である。
(3)ひったくり、窃盗、置き引き、車上荒らし等の犯罪は日常生活において発生する可能性が高い。夜間の外出は極力控え、外出する場合は歩かずに車(自家用車、タクシー)を利用する。また昼間においても道を歩く際には、バイクによるひったくりが発生する可能性があるため周囲に注意を払い、道路側にカバンを持たない等の対策を行う。
(4)パプア州ミミカ県、プンチャック・ジャヤ県及び中部スラウェシ州ポソ県は、従来より外務省海外安全ホームページにおいて、危険度レベル2「不要不急の渡航は止めてください。」の危険情報が発出されている地域であり、やむを得ず渡航・滞在する場合は、取得した滞在許可等に基づき、常に最新の情報収集に努め、現地事情に詳しい者を同行させるなど、特別な注意を払うとともに十分な安全対策が必要。
2 自然災害
(1)中部スラウェシ州において、4月12日、マグニチュード6.8の地震が発生した。震源は同州バンガイ諸島県の南西82キロ、深さは17キロ。津波は観測されなかった。男性1名が避難途中に死亡し、数か所の家屋が全壊・半壊の被害を受けた。同県の住民1300人が避難した。その後2日間で23回の余震が観測されている。
(2)中部スラウェシ州シギ県において、4月28日、豪雨の影響で洪水や鉄砲水が発生し、多数の住民が避難した。複数の地点で地滑りが発生、河川に架かった橋が流されるなどの被害があった。
(3)(3)東南スラウェシ州において、6月9日、豪雨による大規模洪水が発生した。複数の道路や橋が寸断し、民家数千棟が浸水し、70棟以上の家屋が流された。
被害の大きかった北コナウェ県では1000世帯以上4000人以上が避難した。
(4)パプア州において、6月20日、マグニチュード6.2の地震が発生した。震源は同州サルミ県サルミ市の南西45キロ、深さは11キロ。目立った被害は報告されていない。
(5)マルク州において、6月24日、マグニチュード7.4の地震が発生した。震源は同州南西マルク県の北東245キロの海底、深さは220キロで、津波は発生しておらず、被害は報告されていない。
3 邦人被害事案
5月24日、南スラウェシ州マカッサル市内において、同市に駐在する邦人がデモに巻き込まれ、メッセージボードで乗車している車両の窓を塞がれる、車体や窓をたたかれるなどの被害を受けた。
政府関係者が乗車する車両であると誤認されたことが原因であるものと推察され、特に邦人を標的にした行為ではなく、身体には危害はなく、約30分後には解放された。
4 テロ・爆弾事件発生状況
発生状況なし。
5 誘拐・脅迫事件発生状況
邦人被害の事件は認知していない。
6 対日感情
対日感情は基本的に良好であり、特段の変化は見られない。
7 日本企業の安全に関する諸問題
関連情報なし。