在マカッサル領事事務所 海外安全対策情報

令和2年1月7日

2019年度第3四半期

1 テロ・治安情勢

 治安は概ね良好であるが、いくつか注意を要する。

(1)近年、インドネシア各地においてテロ(未遂を含む)事件が複数発生しており、2018年5月には東ジャワ州で複数の宗教施設や警察署を対象とした爆弾テロ事件が発生し、一般市民を含む多数の死傷者が出ている。また、2019年11月には北スマトラ州メダン市で警察署を標的とした自爆テロ事件が発生した。ついては、テロの標的となりやすい場所(政府・軍・警察関係施設、宗教関連施設、ショッピングモールや公共交通機関等の不特定多数の人が集まる場所)を訪れる際は、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら速やかにその場を離れるなど身の安全を確保することが必要。

(2)麻薬の売買が横行しており、薬物事件が多数発生している。インドネシアにおいては、麻薬関係の違反者は厳しく処罰され、場合によっては死刑あるいは禁固等の重刑が科されることもあるので、違法な薬物には絶対に手を出さない、また、事件に巻き込まれることのないように、繁華街の路地裏など麻薬取引が行われる可能性が高い場所には近づかないことが重要である。

(3)ひったくり、窃盗、置き引き、車上荒らし等の犯罪は日常生活において発生する可能性が高い。夜間の外出は極力控え、外出する場合は歩かずに車(自家用車、タクシー)を利用する。また昼間においても道を歩く際には、バイクによるひったくりが発生する可能性があるため周囲に注意を払い、道路側にカバンを持たない等の対策を行う。

(4)2019年8月以来、パプア州、西パプア州のほぼ全域で人権問題に絡んで断続的に行われたデモが暴動に発展する事例が発生し、数千人規模の地域住民が州外へ避難するなどの事態に発展した。また、同地域では分離独立派組織と治安部隊との銃撃戦を含む衝突が度々発生しており、双方に多数の死傷者が発生しているほか、「パプア独立記念日」とされる12月1日の前日には30名以上の分離独立派集団が治安当局に逮捕される事案が発生している。

(5)2019年12月13日、中部スラウェシ州ポソ県で「東インドネシアのムジャヒディン(MIT)」とされる武装グループが治安部隊を襲撃し、警察官が死亡する事案が発生した。

(6)パプア州ミミカ県、プンチャック・ジャヤ県及び中部スラウェシ州ポソ県は、従来より外務省海外安全ホームページにおいて、危険度レベル2「不要不急の渡航は止めてください。」の危険情報が発出されている地域であり、やむを得ず渡航・滞在する場合は、取得した滞在許可等に基づき、常に最新の情報収集に努め、現地事情に詳しい者を同行させるなど、特別な注意を払うとともに十分な安全対策が必要。

(7)2019年9月下旬から10月初旬まで、インドネシア国内の各主要都市で、汚職撲滅委員会に関する法(KPK法)改正及び刑法改正案などへの抗議活動が活発化し、南スラウェシ州マカッサル市、東南スラウェシ州クンダリ市でも、一部で暴動に発展する事例が発生した。

2 自然災害

(1)北マルク州沖において、11月15日、マグニチュード7.1の地震が発生。震源は同州西ハルマヘラ県から北西134キロ、震源の深さは45キロ。翌16日までにマグニチュード2.9~6.1の地震が180回以上観測された。同州で3名の負傷者が発生。モルッカ海を挟んで対岸の北スラウェシ州マナド市でも揺れが感じられた。

(2)ほか、北スラウェシ州、パプア州においても、マグニチュード5を超える複数の地震が観測されている。

3 邦人被害事案

 発生状況なし。

4 誘拐・脅迫事件発生状況

 邦人被害の事件は認知していない。

5 対日感情

 対日感情は基本的に良好であり、特段の変化は見られない。

6 日本企業の安全に関する諸問題

 関連情報なし。