在マカッサル領事事務所 海外安全対策情報

令和5年4月3日

2022年度第2・3・4四半期

1 一般治安情勢
 治安は概ね良好であるが、いくつか注意を要する。
 
(1)ひったくり、窃盗、置き引き、車上荒らし等の犯罪は日常生活において発生する可能性が高い。夜間の外出は極力控え、外出する場合は歩かずに車(自家用車、タクシー)を利用する。また昼間においても道を歩く際には、バイクによるひったくりが発生する可能性があるため周囲に注意を払い、道路側にカバンを持たない等の対策を行う。

(2)麻薬の売買が横行しており、薬物関連事件が多数発生している。インドネシアにおいては、麻薬関係法規の違反者は厳しく処罰され、場合によっては死刑あるいは禁固等の重刑が科されることもあるので、違法な薬物には絶対に手を出さない、また、事件に巻き込まれることのないように、繁華街の路地裏など麻薬取引が行われる可能性が高い場所には近づかないことが重要である。

(3)非正規の自家製アルコール飲料(いわゆる「密造酒」「闇酒」)を摂取したことが原因とみられる在留邦人の死亡、中毒症状の発症等の事案が発生。同様のアルコール飲料は当国のほかの地域でも流通している可能性があり、もし疑わしき飲料が手元にある場合には絶対に飲用しない。いかなる場合でも、「密造酒」や「闇酒」と呼ばれる非正規のアルコール飲料の購入及び摂取は差し控えるべきである。

(4)このほか、各主要都市において、住民によるデモが発生することが度々ある。デモが行われる道路では交通規制が行われ、混乱や渋滞が生じる可能性があります。ご自身の安全のため、不測の事態に巻き込まれないよう、該当地域の通過を避けるとともに、外出の際には周囲の状況に十分注意をする。 また、デモに遭遇した際には、速やかにその場を離れるようにするべきである。
 
2 テロ情勢
  近年、インドネシア各地においてテロ(未遂を含む)事件が複数発生しており、2021年3月28日には南スラウェシ州マカッサル市の教会で自爆テロ事件が発生。このテロ事件においては、実行犯らが死亡したほかに死者は発生しなかった。
 当国において近年テロの標的となることが比較的多い場所(警察関係施設、宗教関連施設等)をやむなく訪れる際は滞在時間を最小限にとどめ、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら速やかにその場を離れるなど身の安全を確保することが重要である。
 また、ショッピングモールやホテル等の不特定多数の人が集まる場所(ソフトターゲット)がテロの標的となる可能性もあることを念頭に置くことも必要である。
 ついては、当国において近年テロの標的となることが比較的多い場所(警察関係施設、宗教関連施設等)をやむなく訪れる際は滞在時間を最小限にとどめ、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら速やかにその場を離れるなど身の安全を確保することが重要である。
 また、ショッピングモールやホテル等の不特定多数の人が集まる場所(ソフトターゲット)がテロの標的となる可能性もあることを念頭に置くことも必要である。

 中部パプア州ミミカ県及びプンチャック・ジャヤ県、中部スラウェシ州ポソ県は、外務省海外安全ホームページにおいて、危険度レベル2「不要不急の渡航は止めてください。」の危険情報が発出されている地域であり、やむを得ず渡航・滞在する場合は、取得した滞在許可等に基づき、常に最新の情報収集に努め、現地事情に詳しい者を同行させるなど、特別な注意を払うとともに十分な安全対策を行う必要がある。なお、各地における最近の動向は以下のとおり。
 
(1)パプア地域各州
 同地域では引き続きインドネシアからの分離独立を標榜する武装集団と治安部隊との銃撃戦を含む衝突が度々発生しており、その双方及び巻き込まれた地域住民に多数の死傷者が発生する事件が度々発生している。
 2023年1月以降において、地域住民等非戦闘員に被害が及んだ事件に関する主な報道は以下のとおり。
 ア 2月7日、乗客6人を乗せた民間航空会社スシ・エアーの小型機がンドゥガ県パロ空港に着陸した際に武装集団に襲われ、航空機が燃やされた。武装集団は乗客6名を解放したが、ニュージーランド人パイロットを人質に連れ去った。

(2)中部スラウェシ州ポソ県
 近年、ポソ県及びその隣接県であるパリギ・モウトン県の山間部で治安部隊と「東インドネシアのムジャヒディン(MIT)」と見られる武装集団との銃撃戦が度々発生。
 2021年9月19日、パリギ・モウトン県の山間部において、同グループのリーダーと目されている指名手配犯が治安部隊によって射殺された。また、2022年1月4日、同県において、さらに同グループの構成員が射殺された。これをもって治安当局は、同グループの残党は3名であり、ポソ県及びその周辺地域の山間部に潜伏していると見ている旨発表した。 
 2022年5月14日、同グループ支持者であると疑われる22名が国家警察テロ対策特別捜査隊(Densus88)によって拘束された。また、9月には同グループ最後の逃亡犯とされる者が治安当局に射殺され、中部スラウェシ州警察当局が同グループの組織としての壊滅を公表した。
 しかし、一部有識者らの間には、MITの活動を支えてきた地元支援者らの存在を懸念する声もあり、同組織の潜在的な危険性への注意が引き続き必要とされる。

 
3 災害
(1)地震
 当事務所管轄地域各地でマグニチュード5を超える複数の地震が観測されており、2022年第2・3・4四半期においては、特に大きな被害は報じられていないものの、引き続き津波を含む地震の発生に注意を要する。
 
(2)水害
 国家防災庁は、引き続きラニーニャ現象に伴う急激な大雨による洪水等の被害に注意を呼び掛けている。

 
4 邦人被害事案
 発生状況なし。
 
5 誘拐・脅迫事件発生状況
 邦人被害の事件は認知していない。
 
6 対日感情
 対日感情は基本的に良好であり、特段の変化は見られない。
 
7 日本企業の安全に関する諸問題
 地方政府から各企業に対し、就業時の新型コロナウイルス感染防止に関する様々な規定が課されており、それらは頻繁に内容が更新されるため、所在地の地方政府が発する規定の最新情報に留意する必要がある。