在マカッサル領事事務所 海外安全対策情報
令和5年7月21日
2023年度第1四半期
1 一般治安情勢
(1)ひったくり、窃盗、置き引き、車上荒らし等の犯罪は日常生活において発生する可能性が高い。夜間の外出は極力控え、外出する場合は歩かずに車(自家用車、タクシー)を利用する。また昼間においても道を歩く際には、バイクによるひったくりが発生する可能性があるため周囲に注意を払い、道路側にカバンを持たない等の対策を行う。
(2)麻薬の売買が横行しており、薬物関連事件が多数発生している。インドネシアにおいては、麻薬関係法規の違反者は厳しく処罰され、場合によっては死刑あるいは禁固等の重刑が科されることもあるので、違法な薬物には絶対に手を出さない、また、事件に巻き込まれることのないように、繁華街の路地裏など麻薬取引が行われる可能性が高い場所には近づかないことが重要である。
(3)非正規の自家製アルコール飲料(いわゆる「密造酒」「闇酒」)を摂取したことが原因とみられる在留邦人の死亡、中毒症状の発症等の事案が発生。同様のアルコール飲料は当国のほかの地域でも流通している可能性があり、もし疑わしき飲料が手元にある場合には絶対に飲用しない。いかなる場合でも、「密造酒」や「闇酒」と呼ばれる非正規のアルコール飲料の購入及び摂取は差し控えるべきである。
(4)このほか、各主要都市において、住民によるデモが発生することが度々ある。デモが行われる道路では交通規制が行われ、混乱や渋滞が生じる可能性があります。ご自身の安全のため、不測の事態に巻き込まれないよう、該当地域の通過を避けるとともに、外出の際には周囲の状況に十分注意をする。また、デモに遭遇した際には、速やかにその場を離れるようにするべきである。
2 テロ情勢
当国において近年テロの標的となることが比較的多い場所(警察関係施設、宗教関連施設等)をやむなく訪れる際は滞在時間を最小限にとどめ、常に周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら速やかにその場を離れるなど身の安全を確保することが重要である。
また、ショッピングモールやホテル等の不特定多数の人が集まる場所(ソフトターゲット)がテロの標的となる可能性もあることを念頭に置くことも必要である。
中部パプア州ミミカ県及びプンチャック・ジャヤ県、中部スラウェシ州ポソ県は、外務省海外安全ホームページにおいて、危険度レベル2「不要不急の渡航は止めてください。」の危険情報が発出されている地域であり、やむを得ず渡航・滞在する場合は、取得した滞在許可等に基づき、常に最新の情報収集に努め、現地事情に詳しい者を同行させるなど、特別な注意を払うとともに十分な安全対策を行う必要がある。なお、各地における最近の動向は以下のとおり。
(1)パプア地域各州
同地域では引き続きインドネシアからの分離独立を標榜する武装集団と治安部隊との銃撃戦を含む衝突が度々発生しており、双方に死傷者が発生する事件が度々発生している。
民間人に対しての被害も多く、最近では民間航空会社のパイロットを人質として取る事件も発生している。
2023年4月以降において、治安部隊以外に被害が及んだ事件に関する主な報道は以下のとおり。
ア 4月14日、航空会社Asian One Airの航空機がプンチャック県ベオガ飛行場に着陸しようとしていたところ、武装集団に銃撃された。武装集団は9発発砲し、2発が機体を貫通したが、乗客に被害は無かった。
イ 4月28日、プンチャック県イラガ地区カゴ村において住居4軒が武装集団に放火される事件が発生した。住居は無人であったためこの事件による死傷者は発生していない。
(2)中部スラウェシ州ポソ県
2022年9月には「東インドネシアのムジャヒディン(MIT)」最後の逃亡犯とされる者が治安当局に射殺され、中部スラウェシ州警察当局が同グループの組織としての壊滅を公表した。
2023年第1四半期において特に動きはないものの、一部有識者らの間には、同グループの活動を支えてきた地元支援者らの存在を懸念する声もあり、同グループの潜在的な危険性への注意が引き続き必要とされる。
3 災害
2023年第1四半期においては、特に大きな被害は報じられていないものの 当事務所管轄地域各地でマグニチュード5を超える複数の地震が観測されており、引き続き津波を含む地震の発生に注意を要する。
(2)水害
国家防災庁は、引き続きラニーニャ現象に伴う急激な大雨による洪水等の被害に注意を呼び掛けている。