安全の手引き
令和7年7月28日
安全の手引き(令和7年7月版)
I.序言
インドネシアでは、過去に政治的な混乱が発生して、在留邦人の多くが緊急に国外脱出する事態となったことがあります。1997年に発生したアジア通貨危機の影響を受けて大規模な経済混乱に陥り、翌98年には複数の都市で生活必需品の値上がりに不満を持った群衆による暴動(5月暴動)が発生、長期政権を続けるスハルト政権が崩壊するに至りました。この混乱の中、日本国外務省は、「家族等退避勧告」を発出し、インドネシア国内の約9,000人の在留邦人が帰国乃至近隣諸国に出国しました。東ジャワ州においては、スラバヤからバスをチャーターして約270人の在留邦人が陸路バリ島へ脱出しました。多くの在留邦人が、不安、恐怖、苛立ちの中で何日間かを過ごしたこの5月暴動は、緊急事態への備えについて多くの教訓を残しました。 |
その後、インドネシアは民主化の道を辿っており、国内の情勢は以前より安定していると言えますが、その一方で民主化や自由化の「影の側面」、即ち、宗教や種族、政治的対立を原因とする争乱事件もインドネシア各地で起こっており、治安当局との衝突も生じています。 |
また、2002年から2009年の間にはバリ島やジャカルタで大規模な爆弾テロ事件が発生し、邦人もテロの犠牲となっています。それ以来、多数の民間人が死傷する大規模なテロ事件は発生していませんでしたが、2016年1月14日、ジャカルタの中心部で爆発及び銃撃事案が発生し、外国人を含む市民4人が死亡、20人以上が負傷しました。 近年、インドネシア国内のテロ組織は、警察や軍等の治安機関等に対する人的・物的被害を目的としたテロを敢行しており、その例として、2018年5月13日、スラバヤ市内の教会で連続自爆テロ、2018年5月14日にはスラバヤ市警本部正門にて自爆テロが発生しました。その後も、2019年8月にスラバヤ市内の警察分署において警察官襲撃、2020年6月にも当館管轄内である南カリマンタン州南フルスンガイ警察署南ダハ警察分署にて警察官襲撃、さらには、2023年12月、西ジャワ州バンドン市アスタナ・アニャル警察分署にて警察官を標的とした自爆テロが発生しました。2024年中、インドネシア国家警察が検挙したテロ容疑者は、55人でした。その中には、当館管轄内にある教会に対する爆弾テロを企てていた者も含まれており、未だ、テロの潜在的脅威は存在します。前述のバリ島やジャカルタで発生したテロ事件以降、日本人を含む外国人が被害者となる大規模なテロ事件は発生していませんが、テロ組織による標的には、日本を含む西側諸国権益や他宗教の施設、さらには、警備が比較的手薄な、いわゆる「ソフトターゲット」と呼ばれる不特定多数が集まるショッピングモールや公共交通機関等も含まれています。 日々の生活の安全を確保するためには、日々刻々と変わる国際情勢や政治・経済・治安情勢、衛生環境、更に対日感情を含む諸外国に対する当地住民の感情の変化等を的確に把握し、各人が「自分の身は自分で守る」との心構えで、常に警戒心を持ち、行動することが大切です。 今般、こうした事情に鑑み、インドネシアで生活する上で家族全員が念頭に置くべき防犯上の一般的な心得や、緊急時への心得と対処要領を記した「安全の手引き」を更新しましたので、よくお読み頂き日頃からの心構えの一助として頂ければ幸いです。 |
なお、何らかの犯罪・事件に巻き込まれてしまった場合には、以下の総領事館連絡先までご連絡下さい。 ・開館時間中(平日8時~16時45分) 031-503-0008 ・閉館時間中(夜間・休日) 0800-1401934 ・当館メールアドレス ryoji@sb.mofa.go.jp |
II.防犯及び安全対策の手引き
目次
1.防犯の心構え 2.インドネシアの犯罪発生状況及び交通事故発生状況 3.防犯のための具体的注意事項 ○住居 ○外出時 ○生活上 4.交通事情と事故対策 5.テロ・誘拐対策 ○暴動、テロ事件に巻き込まれないための対策 ○銃乱射、爆弾テロ事件に対する一般的心構え ○誘拐被害に遭わないための対策 ○誘拐防止の手引き 6.緊急電話連絡先 |
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1.防犯の心構え インドネシアでは、近年の経済発展やコロナ禍以降の経済格差により、依然として、貧困層の人口も多く、空港、レストラン、ホテル等において、旅行者を狙ったスリや置引き等の窃盗事件が発生しており、邦人もこれらの被害に遭っています。路上においてもひったくり、押し込み強盗、走行中の車両やオートバイを狙った強盗等も多く発生しており、これら犯人の多くは刃物等の凶器を所持しています。また、労働者や学生による大規模デモも年に数回発生しています。その他、パレスチナ情勢等の世界情勢の不安定化による西側諸国を対象としたデモも発生しています。常に自分の身の回りに注意を払うことは、海外生活の基本と言えますが、インドネシアでは特に次のような点を心に留め置くことが必要です。 |
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○自分と家族の安全は、自らが守るとの心構えを持つこと インドネシア国内外の政治・経済・治安状況及び対日感情等について、様々な媒体から常に最新情報を得るように心掛けてください。インドネシア国内の対日感情や情勢を知ることは、自らの身を守ることに役立ちます。 ○常に危機意識、緊張感を持って行動すること 依然として、日本人は経済的に裕福であると見られがちであり、さらに、富裕層である中華系インドネシア人と認識される事が多いため、窃盗や強盗等の一般犯罪の他、テロ、誘拐等の標的にされる可能性があることを十分に認識しておき、日頃からの行動に気をつけてください。 ○自分が外国人であることを自覚すること 価値観の違いを認識し、インドネシア固有の文化、伝統や風俗、風習また宗教等を十分に尊重するように心掛けてください。また、平素より、隣人、会社の従業員、使用人等インドネシア人との間に良好な関係を保つように心掛けてください。昨今、ソーシャルメディアに投稿した投稿や動画などが中傷的・侮辱的であるとして拡散され、問題となったケースがありますので、ソーシャルメディアを利用する際は、その内容が適切かどうか十分確認するなどしてください。 |
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2.最近の当地の犯罪発生状況 (1)各国で統計の取り方については異なっており、単純に比較することは難しいですが、インドネシア中央統計庁は、2023年のインドネシア国内における犯罪発生件数は、58万4,991件(殺人事件は、1,129件)であると発表しています。参考までに、日本は、警察庁が2023年の犯罪発生件数は、703,351件(殺人事件は912件)であると発表しています。インドネシアも日本と同じく、窃盗が罪種別に見ても多く割合を占めています。 交通事故の取扱いについても、各国によって異なりますが、インドネシア警察の発表では、2024年の交通事故発生件数は、15万2,000件、交通事故死者数は2万7,000人と発表しています。参考までに、日本は、警察庁が2024年の交通事故発生件数は、29万792件、交通事故死者数は、2,662人と発表しています。10万人に当たりの交通事故死者数は、日本の約4.5倍であり、日本の交通環境とは大きく違うということを念頭に置かなければなりません。
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(2)また、テロに関しては、前述のとおり、2018年5月に、スラバヤ市において教会を標的とした連続自爆テロや警察本部を狙った自爆テロ、2019年8月に、南カリマンタン州南フルスンガイ警察署南ダハ警察分署にて警察官襲撃が発生した以降、当館管轄地内におけるテロ事件は発生していませんが、2022年12月に西ジャワ州バンドン市における警察署での自爆テロ事件が発生しています。2023年は、当館管轄地である東ジャワ州で17人が検挙されており、2024年中、インドネシア国家警察は、全国でテロ容疑者55人を検挙していますが、前述のとおり、当館管轄内にある教会に対する爆弾テロを企てていた者も、その中に含まれているなど、依然として、テロの潜在的脅威は存在しています。また、昨今のガザ地区をめぐる情勢に関して、今後の国際情勢と我が国の関係次第では、パレスチナ擁護を目的とした日本を含む欧米権益へのテロ等、様々な要因によるテロ事件の発生が懸念されます。 |
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(3)当地においては、汚職摘発、土地・労働問題、賃金等にからむ労働者によるデモのほか、環境保全や世界情勢に呼応した大衆団体による日本を含めた在外公館に対するデモも発生しています。また、日系企業が関連する事業体に対するデモも発生していることから、平素から治安情勢に関する注意が必要です。 | ||||||||||||||||||
3.防犯のための具体的注意事項 ○住居の留意事項(選択及び警備方法等) (1)住居を選ぶ際の注意 (ァ) 治安の悪い地区を避け、治安の良好な地区の住居を選ぶようにしてください。実際に住んでみないと判らない事情などもあるので、既に駐在している会社の同僚や前任者、SNS等で当地の事情を発信している在留邦人からの情報等、自らの情報収集に努めてください。 (ィ)住居は、大きく2つに分けて、アパート(日本でいうマンション。タウンハウスも含む)と独立家屋(一戸建て)の2種類があります。アパートの場合は、管理会社による警備員を雇用、配置、エレベーターで居住階のみしか行けない等、警備がしっかりしている防犯意識の高いアパートを選ぶことが重要です。また、独立家屋の場合は、周囲全てが高いフェンスまたは壁で囲まれた、防犯対策を十分施した物件が望ましいとされています。 |
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(2)自宅における自主警備 (ァ) アパートの場合 可能な限り、高層階の部屋に居住し、在宅時、外出時問わず、玄関(使用人専用の出入り口を含む)等外部から容易に侵入可能な出入口は施錠することを心掛けてください。 (ィ) 独立家屋の場合 独立家屋の場合は、警備員の雇用、防犯警報装置の設置するなどして防犯に万全を期してください。地区によっては、コミュニティで警備員を雇用し、夜間の警備を行っている場合もありますが、夜間は庭園灯、屋外灯を点灯して死角をなくし、犯罪者が侵入しにくいよう家屋の周囲に足場になりやすい物を置かないように心掛けてください。さらに、ドアや窓の作りを強固なものとし、全てのドアは、頑丈で施錠できるもの、施錠設備も頑丈なものとし、複数の鍵を設置するなどの工夫を心掛けてください。また、窓からの侵入を防ぐため、窓に鉄格子を設置することで侵入を防ぐことができます。但し、鉄格子が外されないよう、取付部のネジ等がハンダ、溶接等でネジ山が潰されているものにする等の工夫をしてください。夜間や旅行等で長期外出する際は、夜間タイマー式の点灯装置を設置するなど、外部から不在と分からないようにすることも犯罪被害に遭わない工夫の一つとなります。 |
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○外出時の留意事項 (1)街中での一般的な心構えについて 普段の外出時には、高級時計をはじめ高価な装飾品などをあまり身につけずに目立たないようにし、大金を持ち歩かないことが重要です。昼夜を問わず、移動の際には可能な限り、自家用車かタクシーを利用し、徒歩での移動は極力避けてください。特に、人通りの少ない裏道や夜間の一人歩きは危険です。繁華街、市場、デパート、空港等、多数の人が集まる場所や横断陸橋では、周囲に不審人物や不審車両等がないかどうか常に警戒心を持つよう心掛けてください。 |
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(2)公共交通機関利用時について
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(3)自家用車での移動中について
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(4)買い物時について
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(5)旅行時について
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○生活上の留意事項 (1)自宅における留意事項 (ァ) 使用人(メイド、運転手)雇用時の留意事項
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(ィ) 緊急事態発生時の留意事項
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4.交通事情と事故対策 (1) 交通事情 スラバヤを含めインドネシアの道路交通事情は、道路整備が十分ではなく、その 上に車、バイク共に通行量が多く、運転マナーも日本に比べて良くありません。車の運転は全面的に運転手に任せ、極力自分では運転しないよう心掛けてください。また、自動車保険には必ず加入し、運転手には、平素から、安全運転に心掛けるよう十分に指導してください。また、運転手を使用した長距離移動の場合には、運転手に無理な運転をさせないためにも、休暇、休憩を十分取らせ、予め時間的なゆとりを持って行動してください。特に、ラマダン期間中は、断食をしている運転手の体調をこまめに確認するなどし、睡眠不足による疲労や体調不良の様子がある際には休ませるなどして、交通事故の防止に努めてください。 (2) 事故発生時の対応要領、留意事項
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5.暴動・テロ・誘拐対策 (1) デモ・暴動に対する留意事項 当地では、労働者による賃金値上げや不当解雇等、労働環境に関するデモが頻繁に行われています。その中で、デモ規制に対する警察の交通規制や、情勢によっては、デモ隊と治安部隊との衝突に発展する場合もあります。なお、当地においては、スラバヤ市内中心部の「英雄塔(Tugu pahlawan)」、「東ジャワ州議会(DPRD Jawa Timur)、「東ジャワ州公舎(Grahadi)」において、デモが頻繁に行われています。車で移動する際には、運転手にラジオニュースを聞かせるなどして最新情報を収集し、デモが発生している地域や道路は避け、迂回するよう心がけてください。また、このようなデモに対して、興味本位で近づくことは、デモ隊からの暴行等の被害のみならず、治安部隊による拘束(デモ隊と間違われた等)の可能性もありますので、絶対に行わないでください。また、万が一、デモや暴動に遭遇した場合には、速やかにその場から退避してください。 |
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(2) テロに対する留意事項
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※銃乱射、爆弾テロ事件に対する一般的心構え ア 基本的な心構え~「危険予測」、「事前回避」、「常時警戒」
ウ 爆弾テロ事件に関する対処法
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(3) 誘拐被害に遭わないための対策
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○誘拐防止の手引き (1) 日頃からの注意
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(2) 行動予定や個人情報の徹底管理
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(3) 移動中の注意事項
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6.緊急電話連絡先 (1)在スラバヤ日本国総領事館
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(2)警察 110
(4)消防 113 (5)ジュアンダ(スラバヤ)空港 031-2986200(ターミナル1) 031-2986700(ターミナル2) |
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(6)病院
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(7)東ジャワジャパンクラブ事務局 031-5615354 (8)スラバヤ日本人学校 031-8283408 |
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(9)タクシー Bluebird Group 031-3721234(5651234) |
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(10)電話番号問い合わせ 108 (11)その他 ●安全情報問い合わせ先 ・外務省海外安全相談センター +81-3-3580-3311(代表)内2902、2903 ・外務省ホームページ https://www.mofa.go.jp/mofaj/ ・外務省海外安全ホームページ httsp://www.anzen.mofa.go.jp/ ・NHKラジオ国際放送-NHKワールドJAPANホームページ https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/ja/radio/ ・NHK国際放送の最新の周波数表は、NHKのホームページで入手可。 https://www3.nhk.or.jp/nhkworld/ja/radio/howto/ |
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(12)簡単なインドネシア語連絡用語 ●文章
●一口メモ 強盗 PERAMPOKAN(プランポカン) 泥棒 PENCURI(プンチュリ) 火事 KEBAKARAN(クバカラン) 暴動 KERUSUHAN(クルスハン)、HURU-HARA(フルハラ) 殺人 PEMBUNUHAN (プンブヌハン) すり COPET(チョペット) ひったくり PENJAMBRETAN(プンジャンブレタン) 誘拐 PENCULIKAN(プンチュリカン) デモ UNJUK RASA(ウンジュック ラサ) 喧嘩(団体間) TAWURAN(タウラン) |
III.在留邦人用緊急事態対処マニュアル
目次
1.外務省の「危険情報」について 2.平素の準備と心構え 3.緊急時の対応 |
1.外務省の「危険情報」について 「危険情報」は、渡航・滞在にあたって特に注意が必要と考えられる国・地域に発出される情報で、その国の治安情勢やその他の危険要因を総合的に判断し、それぞれの国・地域に応じた安全対策の目安をお知らせするものです。危険情報でであ、対象地域ごとに4つのカテゴリーにおる安全対策の目安が冒頭に示されます。また、本文中には危険情報を出している地域ごとの詳細な治安情勢や具体的な安全対策などの情報を掲載しています。 外務省海外安全ホームページ https://www.anzen.mofa.go.jp/ |
○「レベル1:十分注意して下さい。」 その国・地域への渡航、滞在に当たって危険を避けていてだくため特別な注意が必要です。 ○「レベル2:不要不急の渡航は止めて下さい。」 その国・地域への不要不急の渡航は止めてください。渡航する場合には特別な注意を払うとともに、十分な安全対策をとってください。 ◯「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」 その国・地域への渡航は、どのような目的であれ止めてください。(場合によっては、現地に滞在している日本人の方々に対して退避の可能性や準備を促すメッセージを含むことがあります。) ○「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」 その国・地域に滞在している方は滞在地から、安全な国・地域へ退避してください。この状況では、当然のことながら、どのような目的であれ新たな渡航は止めてください。 なお、当館管轄地(東ジャワ州、東カリマンタン州、南カリマンタン州、北カリマンタン州)は、現在「レベル1:十分注意してください」に区分されています。 |
2.平素の準備と心構え (1)インドネシア人との接し方 まず在留邦人が暴動の標的になったりすることがないように普段の言動に注意し、日本人社会が当地社会において歓迎される存在と思われることが安全確保の大前提です。他方、反華僑暴動等、他の東アジア諸国での問題に関して、日本人が巻き込まれるケースがあります。また、身近なところでは、使用人、職場の現地職員等との日常の接触の積み重ねが極めて重要です。特に、緊急事態においては、彼らからの支援は必要不可欠なので、平素より反感を持たれたり、公共の場で眉をひそめられるような行為は厳に慎み、彼らとの信頼関係を構築することに心掛けてください。 |
(2)連絡体制の整備 ア 在留届の提出 3ヶ月以上当地に在留する場合は在スラバヤ総領事館へ在留届を提出してください。在留届が提出されていないと、連絡先が分からないため、当館からの重要な連絡ができず、緊急事態に関する情報が得られないおそれがあります。 |
イ 情報入手方法の確立 緊急事態の発生時は、いかに正確な情報を入手し得るかが重要な鍵となります。在留届に記載したメールアドレスには、緊急事態発生時、在スラバヤ総領事館から安全情報メールが配信されます。在留届に記載していない家族などのメールアドレスへの受信については「たびレジ」を通じて登録することができます。また、旅行や出張で在留地を離れる場合は旅先を管轄する公館の「たびレジ」への登録を励行する等情報の入手方法を確立しておいてください。 |
ウ 緊急連絡先の報告 在スラバヤ総領事館からの緊急連絡は、在留届に基づいて行います。届出内容等に変更があれば速やかに変更届を提出してください。変更届は、外務省ホームページ( https://www.ezaisyu.mofa.go.jp/ )にてオンラインでも受け付けています。 |
エ 連絡手段の確認 緊急事態はいつ起きるか分からないので、日頃から家族間、会社内で仲間 内の緊急連絡方法も決めておきましょう。また、お互いの所在を極力明確にするようにしておいてください。 |
オ ラジオの準備 緊急事態発生時には、電話やインターネットが不通となることがあります。そのような場合には、NHK海外放送(NHKワールド、ラジオ日本等)により必要な情報入手や親族からの連絡を受け取ることが可能です。そのため、電池での使用が可能な短波、FM受信用ラジオを準備しておくことをお勧めします。普段から周波数や放送時間帯を把握し、ラジオの取り扱いにも慣れておいてください。 (II6(11)参照) |
(3)一時避難先の検討 常に、テレビ、ラジオ、メディア等の情報を収集するように心掛け、治安の不安定な地域や場所を把握し、危険な場所には近づかないようにしてください。万が一、混乱等に巻き込まれそうになった場合、取り敢えず何処に避難するのがよいかは、その時の状況など(勤務先にいるか、自宅にいるか等)によって異なります。治安当局の建物、在スラバヤ総領事館、スラバヤ日本人学校、東ジャワジャパンクラブ(EJJC)、日系企業事務所、ホテル、近隣の邦人宅、親しくしている現地の人の自宅等の位置関係を日頃から頭に入れておき、万が一に備えてシミュレーションをしてください。 |
(4)災害に対する備え 当地は、日本と同様、地震や津波、火山噴火等の災害が発生するおそれが高い地域です。災害については、発生を防ぐことはできません。発生時、いかに被害を少なくするか、避難先での生活を困らないようにするか、平素から「減災」の意識を持ち、防災用品、避難時の持出用品の準備、さらには、感染症対策に必要なマスクやアルコール消毒等の用品を準備しておいてください。また、災害発生時の避難経路や家族の行動についても、事前に確認しておいてください。 |
(5)旅券等携行品及び非常用物資の準備
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3.緊急事態発生時の対応 |
当地において緊急事態が発生した場合、在スラバヤ日本国総領事館から、緊急事態の事案種別や現状、国外避難に関する情報等、必要な情報を発信します。よって、前述の「在留届の提出」や「たびレジへの登録」を必ず行っておいてください。 また、万が一、緊急事態に巻き込まれたり、負傷した等が発生した場合には、前記の在スラバヤ日本国総領事館の連絡先へ連絡してください。 |
(2)緊急時の行動 ア 心構え 緊急事態が発生し、または発生する虞のある場合には、努めて平静を保ち、 自らも各種メディアからの情報に耳を傾け、決して流言飛語に惑わされたり、群集心理に巻き込まれないように心掛け、当館からの大切な情報を漏らさないように留意してください。 |
イ 情報の把握 (ァ) メールを利用した安否確認について 外務省では、海外における日本人の安全対策の一環として、海外の国・地域の治安や安全に関する情報提供を行っています。その中でも特に、治安の著しい悪化や災害、騒乱、その他の緊急事態が発生し、または発生の可能性が高まっていると判断される場合には、前述の「危険情報」を発出します。 (ィ) 総領事館では、前述の「危険情報」のほか、邦人の方々のさらに詳しい状況を把握するため、「在留届」、「たびレジ」に登録されたメールアドレスに、当館のメールアドレスから安否確認のメールを送付します。調査項目に回答を入力後、返信して完了です。なお、回答内容により、電話、メール等を通じ、当館から回答者に対して個別に連絡が行われることがあります。また、東ジャワ州については、EJJC会長と協議の上、EJJCから一斉メールを発出することもあります。ショートメッセージサービスを利用した安否確認について 上記メールを利用した安否確認のほか、「在留届」、「たびレジ」に登録された携帯電話番号宛てに、SMS(ショートメッセージサービス)によるメッセージが送信されることがあります。(送信元番号は以下※参照。SMSのみ。通話不可)メッセージを受信した際は、本文にしたがって返信してください。電話の転送機能を利用している場合、メッセージが届かないことや返信メッセージが送信できないことがありますので、事前に設定状況等をご確認ください。また、当地の携帯電話は、残高がないと返信できないこともありますので、ご注意ください。 ショートメッセージの例 例1)在スラバヤ総領事館 無事ですか? A. 無事です B.怪我をしています 例2)Consulate General of Japan in Surabaya Are you safe? A.Yes B.No
Indosat:+85296657304 XL:+85296657304 (ゥ)情報収集を各自心掛けてください。但し、近年では、SNS等において、誤った情報の拡散等による混乱も見受けられます。SNS等の情報は鵜呑みにせず、友人知人や在スラバヤ日本総領事館等に真意を確認する等、情報の取捨選択を行ってください。 ※実例:2022年10月1日、東ジャワ州マラン市のサッカー場で発生した多数の死傷者を伴う暴動事案では、暴動の原因が日本人選手の決勝ゴールであったため、同市を日本人が訪れると相手チームのサポーターに襲われるとの情報が日本人コミュニティの中で拡散しましたが、当館が地元警察等に確認したところ、そのような事案の発生は皆無であり、完全に誤った情報でした。 |
ウ 在スラバヤ日本国総領事館への通報等 (ァ) 情報提供の依頼 自身で見聞きした緊急事態に関する情報については、大小を問わず、在スラバヤ日本国総領事館へ連絡してください。その情報は、他の在留邦人の方にとって、貴重な情報となります。また、在スラバヤ日本国総領事館への連絡が困難な場合は、EJJC事務局への連絡でも構いません。 また、自分や家族、または他の在留邦人の方の生命・身体・財産に危害が及ぶ、または及ぶおそれがある場合には、速やかに、その場から離脱する等、まずは身の安全を確保したうえで、当館へ連絡をしてください。その際、このような事案が発生している場所や被害に遭われた、または遭う虞が高い方の人数等についての情報提供をお願いしいます。 緊急事態発生時には、皆様からの情報が必要です。この情報に基づき、当館は、在留邦人の所在や安否確認、避難情報等、必要な情報を伝達する事が可能となりますので、積極的な情報提供をお願いします。さらに、緊急事態発生の際には、お互いに助け合って対応に当たることが必要となります。当館より在留邦人の方々にも種々の助力をお願いすることもあるので宜しくご協力をお願いします。 |
(ィ) 短期滞在者等在留届を提出されていない邦人への対応 短期滞在者等のうち、本邦の派遣元企業・当地の受入れ企業等の所在が明らかな場合には、それらを通じて、本人に情報の伝達を依頼することとなります。 また、在留届を提出されていない在留邦人、旅行者、受け入れ先の不明な短期出張者などに対しては、主要ホテル等を通じ、紙による張り出し等の方法で伝達することも想定されます。但し、このような伝達の確実性が低い方法の場合、速やかな情報伝達に至らないことも考えられますので、事前に前述の「たびレジ」への登録をお願いします。 |
(ゥ) 緊急事態での注意事項
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(ェ) 国外への退避 ○ 引き上げ等のタイミング 「レベル4:退避して下さい。渡航は止めてください。(退避勧告)」または「レ ベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」が発出された場合は勿論、それ以前の状態においても危険を察知した段階で各自の判断で引き上げることを特にお勧めします。華人や他の外国人の退避者で混乱する前にタイミングを失しないよう国外等に退避してください。 なお、「レベル4:退避して下さい。渡航は止めてください。(退避勧告)」が発出された場合には、一般の商業フライトが運行している間に、商業フライトを使って可能な限り早急に国外へ退避してください。 (ォ) 在留邦人の集結 緊急事態が切迫し、当館が退避または退避のために適切であると判断した場合には、当館からの指示の下に残留された在留邦人の方には一定の場所に一時集結して頂くことも想定されます。何処に集結して頂くかは、具体的状況によりますが、このような場所として、当館、総領事公邸、日本人学校、指定するホテル、アパート等が考えられます。 このような場合、可能であれば非常用物資を持参のうえ、自力で一時集結場所に集合していただくことが想定されますが、道中の身の安全確保は各自の判断でお願いします。なお、緊急時には自身及び家族の生命、身体の安全を第一に考え、その他の携行荷物は必要最小限にお願いします。 |
【緊急事態に備えてのチェックリスト】 1 旅券(パスポート) □ 6ヶ月以上の残存有効期間があること □ 旅券の最終ページの「所持人記載欄」に必要事項を記入してあること 2 現金及び貴重品(貴金属、預金通帳、クレジットカード等) □ 家族全員が当分の間(10日程度)、生活するのに必要なルピア貨(少額な額面を含む) □ 外貨(米ドル、日本円等) 3 自動車 □ 常時整備しておく □ 十分な燃料の確保 □ 懐中電灯、地図、ティッシュペーパー等 □ 自動車を所有していない方は、近くに住む自動車を持つ方と平素から連絡を取り、必要な場合、同乗できるよう相談しておく 4 その他携行品 □ 携帯電話及び充電器 □ パソコン →避難した場合には、避難先で電源が確保されない、電力が安定的に継続して供給されないことが十分想定されることをあらかじめ ご留意ください。 □ 衣類、着替え(長袖、長ズボンが望ましい。動きやすく、殊更人目を引くような華美なものではないもの。麻、綿等吸収性、耐暑性に 富む素材が望ましい。) □ 履物(動きやすく靴底の厚い頑丈なもの) □ 洗面用具(タオル、歯磨きセット、石けん等) □ 非常用食料等 →家族が当分の間(2週間程度)、自宅待機する場合を想定して、米、調味料、缶詰類(及び缶切り)、インスタント食品、粉ミルク 等の保存食及びミネラル・ウォーター等。自宅から他の場所へ避難する際には、この中から缶詰類、インスタント食品、粉ミルク、 ミネラル・ウォーター、大型の水筒等を携行するようにしてください。 □ 医薬品等 家族用常備薬の他、常用薬、外傷薬、消毒用石けん、衛生綿、包帯、絆創膏等 □ ラジオ(ラジオジャパン、BBC、VOA等の短波放送が受信できる電池仕様のもの及び予備電池) (参考)FM放送を受信できる携帯電話もありますので、ご自身が所持している携帯電話にラジオ受信機能があるかどうかを確認して おくようお願いします。 □ その他 懐中電灯、ライター、ろうそく、マッチ、ナイフ、缶切り、紙製の食器、割り箸、固形燃料、簡単な炊事用具、防災頭巾(頭をカバー できるもの)、緊急連絡先リスト(住所、電話番号)、市販されている居住地の地図等。 |